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I'll always be with you【アイナナ千】

第11章 譲れない想い




悩んだが末に、ご飯を食べないのも良くない!という結論に落ち着き、取り敢えず起こすことにした。
存分に千さんの綺麗な顔を堪能してから、千さんの頬を優しくつねる。


『千さん起きて』
「...ん」

綺麗な顔は、少し眉間が寄って歪む。
今度は人差し指で頬を軽くつついた。


その瞬間


っ...?!


パッと手を掴まれる。

長いまつ毛に隠れていた、色素の薄い瞳がゆっくり見え始める。



あ、、目が合った。


何故か、目が離せない。


千さんは、私の指をそのまま口元に持っていって、私の指をぺろりと舐めた。


「僕の本気を侮らない方がいいよ」


体温が急激に上がる。
恐らく私の顔は耳まで真っ赤になっているだろう。


「食べようか?」


千さんの声が低く、耳に響く。
手を引くことも出来ず、逃げられない。
今だに目を逸らせずにいる千さんの瞳からは、何を考えているか分からない。



『た、たべないで...』

「......ふっ、ふふふ、ご飯作ってくれたんだろう」


あ、やられた。

千さんは笑いのツボに入ったようで手で口を押さえて破顔していた。
いつの間にか私の手は離されており、私は恥ずかしすぎて真っ赤な顔を手で隠した。


『もう、早く食べよっ!!』
「ふふっ、そうね」


千さんはひとしきり笑ってから、ゆっくり起き上がる。

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