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I'll always be with you【アイナナ千】

第10章 初詣




「あの、里那さん」
『ん?』
「実は、話したいことが、あって、、」
『うん...ぜひ、聞きたいな』


壮五くんは、コーヒーの話をし終えた時、重く話を切り出した。
恐らく、今日会った時に話そうとしていたことだろう。
先程も不安気だったが、今も下を向いている。
相当、話すのに勇気がいる内容なのだろう。

1分ほど何も話さない空間ができた後、決心を決めたかのように顔をあげ、私と目を合わせる。


「今日、環くんがいないのは、彼が優しい人で僕に気を遣ってくれたからなんです!」
『そうなんだね』
「気持ちを伝えてこい!って背中を押されてきました」
『...』
「僕は、里那さんのことが好きです。里那さんが良ければ、恋仲になりたいと思ってます」


普段、壮五くんは可愛いなって思うことが多い。
環くんと一緒だからという事もあるかもしれないが。
でも、今この時だけは、自分の言葉で気持ちを真っ直ぐと伝えられる姿をかっこいいと思った。

壮五くんはきっと彼女を優しくエスコートして、丁寧に愛を育んでいくんだろうな...


私は壮五くんのことを頭で考えながら、心の中にいる人のことを想う。


『ありがとう、壮五くん...でも、ごめんね。ずっと好きな人がいるの』

壮五くんは少し悲しそうな顔をしてから、眉を下げながら微笑んだ。


「その返事は、実は分かっていました」
『え、』
「想い人のことが大切なんですね」
『そうだね...駄目な所を挙げ始めたらキリがないのに、それ以上にどうしようもないくらいかっこよくて魅力的な人なんだよね』


私の心の中にいるのは想い人である、千さんしかいない。
あの人以上に好きな人は、絶対に出来ない。

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