I'll always be with you【アイナナ千】
第4章 忘年会
「ソウ、知り合いだったのか」
「仲いいよ!MEZZOの仕事手伝ってくれたことあるんだぜ」
「OH、美しいレディとお知り合い、羨ましいです」
「あ!万理さんの妹さんなんですよね!」
アイドリッシュ7のみんなは優しく、部外者の私にも話しかけてくれた。
「へえ〜、アイドリッシュ7は兄弟が居るメンバーが多いけど、一番似てるかもな!」
「兄さんと私は、あんまり似てると言われませんからね」
「オレは?」
「りっくんも似てないだろ!」
「ええええっ!」
「七瀬さんその話は慎重にしてください!」
いつの間にかアイナナの話のペースになっていて、聞いてるだけで面白くて癒される。
壮五くんもくすくすと笑みが溢れていた。
「あ!里那さん」
『ん、なに?」
「この前借りたCD、今日返そうと思ってたんですけど、忘れてきてしまいました」
『気にしないで〜!いつでも良いからね』
「CD凄い良かったです!」
『ほんと?壮五くん絶対好きだと思ったんだよね〜!無名に近い人だけど』
「よく見つけましたね」
『実は千さんに教えてもらったんだよ!』
周りの成人組がお酒が入って、盛り上がっているなか、私は壮五くんといつも通り音楽の話に花を咲かせていた。
『あ、話に夢中になってたけど、壮五くんもお酒飲む?』
「じゃあ、少し頂きます」
『壮五くん、お酒飲むんだね!知らなかった!』
「いつもは環くんも一緒ですし、里那さんも飲めないですからね」
『あー、私ね、飲めないわけじゃないんだよね』
「そうなんですか?」
『でも、すごい弱くて記憶失くしちゃって、直ぐに寝ちゃうらしいんだよね』
「しっかりしてる所しか知らないから、意外です」
壮五くんは酔いが回ってくると、いつもよりニコニコとハイテンションで色んな話をしてくれた。
遠慮気味でしっかり者の壮五くんのとても可愛らしい一面だった。
「ねえ、何の話してるの」
急に頭上から声を掛けられる。
驚いて振り返ると、千さんが不機嫌そうにこちらを見ていた。