• テキストサイズ

I'll always be with you【アイナナ千】

第3章 MEZZO



「そういや、バンちゃんの妹なんだろ?」
『そうだよ』
「バンちゃんって、子供の頃からバンちゃんだった?」

『ん?...うん、子供の頃から大神万理だったよ?』
「環くん、それじゃ質問がよく分からないよ」
「ほら、バンちゃんって大人!って感じだろ?失敗とかしない感じ?子供の頃のバンちゃん知りたい」


ああ、なるほど。
この子達の前でも、頼れる大人のお兄さんしてるんだな。


『うーん、子供の頃から、世話好きでしっかりしてたよ。妹の私の面倒をちゃんと見てくれて...優しいお兄ちゃんが大好きだったよ』
「そっか、オレも...理の面倒見てたんだけどな」
「環くん、大丈夫?」
『ごめんなさい、私まずいこと言っちゃった?』


落ち込んだ様子の環くんとそれを見て心配そうな壮五くん。
明らかに地雷踏んだ。


「もう、だいじょーぶ!俺も妹がいて、理を探すためにアイドルになったんだ」


環くんは妹の理ちゃんのために有名になろうとしたこと、やっと理ちゃんと再会したこと、そして一緒に暮らせないと言われたことを説明してくれた。


『ごめんね。話してくれてありがとう』
「なあ、おんなじ妹だろ?バンちゃんと知らないおっさん、どっちがいい?」
「環くん!里那さんを困らせちゃだめだよ」
『それは...もちろんお兄ちゃんだよ』
「そーだよな!理は九条に騙されてるんだ」


私はお兄ちゃんが突然消えた日を思い出した。

環くんの気持ちは共感できる部分も多い。
でも、私は、お兄ちゃんの失踪を間違いだと責めたくない。

お兄ちゃんの事情を知って、心情を考えた時...お兄ちゃんも絶対つらくて大変だったと容易に想像できた。


理ちゃんのことは知らない。
でも、こんな優しい環くんが大切に思ってる妹さんなら...きっと何か事情があるのだろう。

/ 112ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp