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I'll always be with you【アイナナ千】

第3章 MEZZO




『環くんとは違うけど...私とお兄ちゃんも離ればなれになったことがあるよ。ある日、顔に怪我した兄が家族にも誰にも何も言わずに失踪したんだ』
「あっ、あの事故の...」

『お兄ちゃんっ子だったから、凄いショックだった。その後、5年ぐらい行方不明で、ある日突然わたしの前に現れて再会した。話を聞いたら、君たちのマネージャーしてるって、本当に驚いたよ』
「そっか...バンちゃんがどこにいるか、しらなかったのか」

『そう、だから妹を探してた環くんの気持ちがちょっと分かる』
「その話、万理さんから聞いたことがあって...再会できて本当に良かったですね」
『再会出来たのは本当に良かった。その時、心配したぞ、バカ兄貴!ぐらい言ってやりたかったんだけどね。失踪した理由が何となく分かってたから、責められなかったんだよね』


環くんは、本当に辛かっただろう。
一緒に暮らすことを目標に歩んできたんだ。
でも、これだけは伝えてあげたい。


『お兄ちゃんには、失踪してた理由があった。そして、5年会えない間に、私や千さん以外にも大切な人達が出来てた』

「俺達とか、ボスとか?」

『そうそう!理ちゃんにも、きっと理由があって、離れ離れの間に環くん以外の大切な人が出来たんだね』

「...」

『いつか環くんと理ちゃんが色んな話をゆっくりして、分かり合えるといいね』

「俺、なんか、ちょっと、わかったかも。九条は、嫌なやつだけど!!!」
『はは、実は私もその九条さんは嫌いなの。だから、応援してるよ、環くん!』
「ありがとー!俺、頑張るから」


環くんの顔はやる気の顔になって、壮五くんは優しい顔になっていた。
良いコンビだなと、しみじみ思った。


『あ!着いたよ〜。二人ともお疲れ様』
「里那さんこそ運転お疲れ様でした。本当にありがとうございました」
「運転あんがと!俺ら、仕事がんばってくっから」
『はーい。また、終わったら連絡してね!』

二人とラビチャを交換して、仕事が終わり次第また迎えに来ることになった。



これが二人との出会い。

この時以来、MEZZOの二人とは仲良くさせてもらっている。
環くんは私に懐いてくれて、壮五くんとはCDの貸し借りをしたり、3人でご飯を食べに行ったりしている。

可愛い後輩、弟が出来たようだった。
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