第23章 初めての夜　※

『んあっ！』

千さんの指が私の中で動く。
あるところに擦れた時、思わず高い声が漏れた。


「ここ、好き？」

千さんは、優しくゆっくり執拗にそこを触った。
最初に感じた痛みも慣れていき、身体が千さんの指に反応する。


『そこっ、』
「ここでしょ？」
『っあ、だめ、、ああっ』
「駄目じゃないでしょ」


千さんは徐々に触るのを早くしていき、指の挿入と共に厭らしい水温が聞こえる。
それと一緒に私の声もあがる。


ああ、なんか、やばいかも。
変になりそう！


『ぁあ、だめ、もう、、だめっ！』
「うん。いきそう？」
『ん、ああ、、わかんなぃ...っあ』
「一回いっていいよ。そのまま、感じて？」


なんか分かんないけど、思考はどんどん余裕がなくなって、快感に呑まれていく。


『ああっ、あっ、ああああ！』
「いったね」


千さんは私の髪を撫でて、そっと頬に口付けをくれる。


「里那？」
『はあ...はぁ、なに』
「していい？」
『...うん』


千さんは最終確認かのように私に聞いた。
私も千さんとしたい。
ここまで来て、待っては私も嫌だ。


気づくと千さんは器用に片手でパンツを脱ぎ、ベットサイドからゴムを取り出した。

男性の陰部を見るのは初めてで、気まずくて目を泳がす。
でも、ちらりと見えたそれは指2本とは比べ物にならなくて、先ほどまで思考が真っ白だったのが、急に現実に戻されてゆく。


『千さん...』
「ん？」
『...やっぱり、ちょっと、緊張する』
「里那、手貸して」

千さんは私の手を取り、千さんの何も纏わぬ上半身に手を持っていく。
千さんに触れると、手から伝わってくる千さんの肌の熱と鼓動。

あ、、はやい。


「わかる？僕も珍しく緊張してるよ」
『うん、意外...』
「ふふっ、君相手だと我慢ができないんだ。繊細に優しく大切に抱きたいけど、もっと欲しくなる」


千さんの甘い言葉に胸がきゅっと苦しくなる。
ずっと前から、それこそ恋人になる前から、私の事を大切にしてくれていた。
私の身も心も千さんのものだから、ベットの上では千さんの好きにしてほしい。


『いいよ、千さんになら何されても』
「煽らないでよ。それ、僕以外に言っちゃ駄目だよ」
『千さんにしか言わないよ』
「僕の背中に、手回して」