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I'll always be with you【アイナナ千】

第3章 MEZZO



その日、深夜に急にスマホが鳴った。
スマホの着信音に無理やり起こされる。


こんな時間に誰...?

薄目で眩しい画面を見ると、電話をかけてきたのは、お兄ちゃんだった。


「もしもし。里那?夜中にごめんな」
『ん〜、、、どうした?』

寝起きの覇気のない声でこたえる。

「どうしても頼みたいことがある」
『んん、なにー?』
「朝一でMEZZOを車で送ってあげてほしいんだ」

うーん、、運転係ってことか?と、働いてない頭で理解する。

『MEZZO?お兄ちゃんの事務所のアイドルの子だよね?』
「そうそう。大丈夫?」
『私はいいけど、その二人はいいの?』


私は、別に明日は休みなので構わないが...向こうが気まずくないだろうか?
どれぐらいの移動時間になるか分からないが、初対面の女性の車に乗るのは気疲れしそう。


「二人には先に連絡して許可は貰ってある」
『じゃあ、場所とか時間とかの詳細は、ラビチャに送っといて』
「ありがとう。助かる」
『どうして急に運転係が必要になったの?』
「僕が珍しく風邪を引いたみたいで、いま熱が39度だよ」
『ええっ?』

お兄ちゃんはしっかりしているタイプだ。
体調を崩すのは本当に珍しい。

「僕は少し休めば大丈夫だと思うけど...この状態で仕事は、みんなに風邪を移しそうでね...困ったよ」
『うん、それは休んだほうがいいね』
「午前のMEZZOの仕事だけ、職場の人で空いてる人がいなくてね、苦肉の策で里那に電話した」

よくよく聞くと、電話越しでも分かるぐらい、お兄ちゃんは辛そうな声をしていた。

『まあ、二人の仕事のことは心配しないで』
「ああ、頼んだ」
『お兄ちゃんはゆっくり休んで、早く回復して』
「はは、なんとか一日で治すよ」
『じゃあ、もう少し寝るから、またね』
「ああ、ありがとう」

お兄ちゃんを早く寝かせてあげたくて、早めに電話を切り上げた。



MEZZOの2人か。
えっと、名前なんだっけ。

確か、よつは?よつば?環くんと...おうさか?あいさか?そうごくん。

ああ、まずい。
漢字はテレビで見たことあるけど、苗字の呼び方が分からない。
調べとかないと...

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