第2章 ドズル一行
この一見デコボコに見える彼ら五人がこうして世界中を旅しているのは、法によって消えてしまった「愛」を広めるためであった。
猫であるネコおじは、その「愛」というものがなんなのかはよく分かってはいなかったが、彼らが頭を撫でてくれること、どうでもいい会話をしてくれることは、自然とそれが「愛」なのではないか、と感じるようにはなっていた。
しかし、世界で禁じられた「愛」を広めることをしている彼らは、度々犯罪者扱いされて追われる身でもあった。
「あ、見えてきましたよ!」
いつの間にか前を歩いていたおらふくんが、前方に地形とは違うものをみつけて明るい声をあげる。一行はそれぞれ、おおと感嘆な声を零した。今回の目的地は、砂漠にある大きな街のようだ。