第17章 合流
おんりーは階段を猫より早く駆け上がって行った。
どこへ向かうのかネコおじには分からなかったが、おんりーのそばならなぜか安心出来たから、振り落とされないようにしっかりと肩にしがみついていた。
そして、最上階まで来た時に、それは聞こえた。
「うわぁあああああ!!!!」
仲間の悲鳴だということは、おんりーもネコおじもすぐに分かった。その悲鳴を辿ると、それは看守長室から聞こえてきていた。悲鳴と足音がバタバタと聞こえる。
「みんな……!」
おんりーは勢いよく看守長室の扉を開けた。
「おんりー」
「おんりーチャン……!」
「おんり〜!」
「おお、 来たのか」
そこには、バタバタと倒れる看守たちと、ドズル、ぼん、おらふくんとMEN。
「助ける必要なかったじゃん……」
とおんりーは冷ややかに言うが、誰よりも仲間のことを心配していたのは彼だということは、ネコおじはよく知っている。
「よくも俺の牢獄を荒らしてくれたな……?」
直後、四人の真後ろに、ドスのよく効いた声を発した誰かが立っていた。全員身構え、ネコおじも床に下りて威嚇した。
そこにいたのは、看守と同じ格好をしたかなり背の高い人間の男性だった。見なくてもよく分かった。その男は、かなり怒っている。
「ここの看守長だ」
とドズルは言った。どうやら看守長は、看守に戦わせてそのいかにもな椅子で高みの見物を決め込んでいたが、みんなが協力して倒したものだからブチ切れているみたいだ。
「お前達のような「愛」を語るやつが今後も増えれば面倒なことになるんだぞ!」看守長は怒鳴り散らした。「「愛」があるから争う! 「愛」があるから反抗的行動をする!」
「そんなことない!」
真っ先に言い返したのはおらふくんだった。こういう時のおらふくんの声は氷のようによく通る。
「僕はみんなからたくさん教えて貰った! 「愛」は大切なものなんや!」
「何を……!!」
「おらふくん!」
怒り任せの看守長の拳は、今まさにおらふくんへと振り下ろされた──