第4章 初任務(♡)
「…!!オイッ!そこに誰かいるのか!?」
近くでガサッ…と物音が聞こえるとトゥワイスさんが振り返りながら大きな声で叫ぶ。
それと同時に圧紘さんと荼毘さんの警戒も強まる。
私も固唾を飲んで息を潜める。
「…見つかっちゃ仕方がねぇ…。」
そう言えば一人の男が物陰からゆっくりと出てきた。
「…お前…さっきの……」
荼毘さんが男の姿を見ると小さく呟く。
それと同時に圧紘さんがまた私を背中に庇う。
「わざわざ自分から出てきて焼かれに来るなんざ
物好きなヤツだな…っ。」
そう言えばまた蒼炎を手に纏いながら楽しそうに笑う荼毘さん。
トゥワイスさんもメジャーを引きながら戦闘態勢に入る。
「フン!そう何度も同じ手にはかからん!!」
まだこの男の個性もわかってない状況の中、圧紘さん、荼毘さん、トゥワイスさんの警戒態勢がまた強まる。
私も気を引き締めるように警戒を強めた一瞬の出来事だった。
目にも止まらぬ速さで圧紘さんの背後にいた私の真後ろにその男がいた。
『………え?………』
私の咄嗟に出た小さな声に振り返った圧紘さん、荼毘さん、トゥワイスさんの目が見開かれる。
いつの間にか背後にいた男に肩をポンッと叩かれると見る見るうちに身体が小さく縮んでいく。
「…ちゃん!!」
「!!」
「え?…えっ、どーなっちまってんだァ!?
何にも変わらねぇ!!」
圧紘さん、荼毘さん、トゥワイスさんの声が同時に重なる。
「俺の個性は若返りだ!!
触れた対象を幼児化できるのさ!!
…そしてその隙に俺は逃げる!!」
そう男が叫ぶとポカン、としている4人を残して颯爽と消え去って行ってしまった。
「…おいおいおい…言い逃げかよ。」
コンプレスが呆れたように逃げ去った男の方向を見ながら呟く。
「…っつーか、コイツ大丈夫なのか?」
ぶかぶかのワンピースに包み込まれたままぺたん、と座り込むの目の前にしゃがみ込み、蒼い瞳で覗き込む荼毘。
そんな荼毘の様子にビクッ…と小さな身体を震わせる。
「…おい、荼毘。ちゃんが怖がってる。」
大きな瞳をこれでもかと大きく見開きながら、今にも泣き出しそうなくらいうるうると瞳を揺らしている。