第4章 初任務(♡)
「そんな怖がんなよ〜なぁ、嬢ちゃん」
「そんな陰険な奴らより、
俺らと楽しい事しよーぜ?」
ペラペラ喋りながら、下品な笑みを浮かべながら言う男達。
「俺らも有名人になったモンだな、嬉しーね…。」
右手から蒼炎を出しながら挑発するようにニヤッと笑う荼毘さん。
「…悪いけどこの子、俺のなんだ。
手、出さねェでくれるかな?」
私を背に庇い、低く冷たい声で言う圧紘さん。
「やんのかゴラァ!! 何だお前らは!?」
そう言いながらも戦闘体制に入ってるトゥワイスさん。
「そっちがその気なら力尽くで
奪うしかなさそうだな!」
男の言葉を皮切りにその場が一瞬で戦場となった。
荼毘さんを先陣にトゥワイスさんも攻撃に入り、圧紘さんは私を庇いながら身軽に敵からの攻撃を交わし逃げ回っている。
こちらが戦闘力は勝っていたが、相手側もなかなかの身のこなしで少し手こずる。
「ミスター、連れてソコから逃げろ。」
「…すまん、荼毘。あとは任せた。
行くよ、ちゃん…っ。」
蒼炎を手に纏いながら荼毘さんが圧紘さんに言えば、パシ、と手首を掴まれると私を庇うように肩に手を回して足早にその場から立ち去る。
後ろでは荼毘さんの蒼炎の熱風やトゥワイスさんの賑やかな声が響き渡る中、私と圧紘さんは逃げるように細い路地裏を急いで掻い潜る。
どれくらい曲がり角をまがって歩いたか…。
さすがに圧紘さんの長い足の歩幅に合わせて早歩きをしたせいか、肩で息をするくらい上がっている。
「…こんだけ撒いたらいけるだろ。
ちゃん大丈夫?
ゴメンね、歩くスピード合わせて
あげれなくって…。」
『いえ…っ、大丈夫です…。』
そう話しているとすぐに荼毘さんとトゥワイスさんが合流し、
「…ミスター、一人逃した。まだ警戒を解くな。」
「他にいたヤツらは?」
「…焼いた。」
荼毘さんが一人逃した事を伝え、他の人を始末した事を言えば額に手を当てハァーー…と深く溜息を吐く圧紘さん。
「…あんまり派手な事はすンなよ?
今ヒーローに見つかると色々と厄介だ。」
「…俺が殺さず生かして器用に戦えるとでも思うか?」
綺麗な蒼い瞳を悪そうに細めてニヤと笑って言う荼毘さんにまた圧紘さんが深く溜息を吐くのを見て苦笑いをする私。