第3章 日常、それぞれの想い(♡)
「…お前は…はガキの頃、
どんなだったんだ?」
ふと、尋ねられた荼毘さんの言葉にうーん…と考えるように視線を上に上げながら、荼毘さんが切ってくれた食材を炒める。
『私はですねぇ…甘えんぼの泣き虫さんでした。』
「…何だ…今と変わんねェな。」
『ぇ!…そ、そう…ですか…?
荼毘さんから見る私ってそんなだったのですね』
「あぁ…簡単に想像できる。」
珍しく蒼い瞳を細めて小さく笑う荼毘さんの表情に何だか恥ずかしくなり、ほんのり頬を染める。
「義爛に対するお前の態度を見てれば
大体はわかる…っ。
どうせビービー泣いては義爛に甘えてたんだろ。
あのおっさんもお前には甘いしな。」
『だ…荼毘さんも実は涙脆かったり?』
「…さぁな。想像に任せる…。」
『…って事は実は涙脆いのですね!』
「おら、…焦げるぞ、しっかり混ぜろ。」
荼毘さんとあーでもない、こーでもないとたわいない会話をしながら料理を進めていくとあっという間に夕飯の支度が整った。
食卓に料理が並ぶと各々席に着き、食事が始まる。
敵連合は男所帯なだけあって、見る見るうちにおかずがなくなっていく。
そして食後の後に行われるのは入浴のじゃんけん。
入浴の順番はいつもじゃんけんで決めるという仲良しぶり。
そのじゃんけんに弔くんも荼毘さんもちゃんと参加する事がはじめは意外すぎだったが、今ではお馴染みの光景になっている。
そして今日は私の入浴の順番は一番最後。
だからそれまで、食べた後のお皿の洗い物をしてしまおうと思い取り掛かると、ヒミコちゃんとスピナーさんが手伝ってくれる。
「ちゃん、洗い物お手伝いします!」
「いつもありがとうな。俺は拭いていくぜ。」
『ヒミコちゃん、スピナーさんありがとう。
じゃあお願いするね!』
私がお皿を洗って、スピナーさんがそれを拭いて、ヒミコちゃんが食器棚にしまってくれるという連携プレーを発揮して、あっという間に後片付けが終わった。
『二人が手伝ってくれたからすぐに片付いて
すごく助かった〜ありがとう!』
「お安いご用意なのです!」
「あぁ、いつでも手伝うぜ。」
快く手伝ってくれたヒミコちゃんとスピナーさんに微笑みながらお礼を言えば、入浴の時間まで各々の時間を過ごす事になった。