第3章 日常、それぞれの想い(♡)
「…ならいいんだが。
おいスピナー、ゲームしようぜ。相手しろ。」
私の言葉に納得すれば、ポータブルゲーム機を持ってリビングのソファーにドカ、と座ればスピナーさんを呼び寄せてゲームを始める弔くん。
スピナーさんも弔くんにゲームを誘われて何だが嬉しそうな様子に微笑ましく思うと笑みが溢れる。
ヒミコちゃんはトゥワイスさんを呼ぶと圧紘さんにトランプでマジックを見せてとせがみ、面倒くさそうにしながらもどこか嬉しそうにトランプマジックを見せてる圧紘さん。
そこへマグネさんも加わり、とても賑やかなリビングの様子。
「…、手伝う。」
『ぁ、荼毘さん。…ありがとうございます。』
ガチャ…とドアを開けて入って来た荼毘さんが賑やかなリビングの様子に気が引けたのか、キッチンの方へ入ってきて手伝いを申し出てくれた。
そんな荼毘さんにありがたく微笑みながら礼を言う。
『…それじゃあ、これを切ってくれますか?』
「…ん。」
サッと手を洗い、任せた食材を淡々と切り始める荼毘さん。
『…荼毘さん、手際が良いですね。すごく上手!』
「あぁ…まぁ、ちょっとくらいは
やってたからな。」
『意外でした…所作、というか普段の食べ方とかも
すごく綺麗ですよね。
もしかして、すごく育ちの良い
ご家庭だったのですか?」
「…さぁな。昔の事なんざ忘れた。」
『…ごめんなさぃ…っ。
私、またいらない事聞いてしまいましたね…。
誰にでも聞かれたくない過去の一つや二つ、
ありますよね…っ。』
また自分の言葉で気に障るような事を言ってしまったかと思うとわかりやすくシュン…としてしまい俯いてしまう。
「…いや、気にするな。」
そんな私に横目でチラ、と蒼い瞳を向けるとポン…と優しく頭を撫でてくれる荼毘さん。