第3章 日常、それぞれの想い(♡)
「…邪魔はしねェから。で、何作んの?」
『オムライスだよ。弔くん、好き?』
「…ん、好き。お前が作るモンなら何でも好き。
早く食いてェ。」
『すぐ作るからね。ちょっと待っててね。』
甘えるように背後にピッタリくっつく弔くんが少し可愛く思うとクスッと小さく笑う。
「はぁ〜イイ匂い。
ちゃん、何か手伝う事ある?」
大方、オムライスが出来上がってくると匂いにつられて圧紘さんがキッチンに入ってくる。
『ぁ…でしたら、お皿を出して
もらってもいいですか?』
「了ーー解。」
圧紘さんが出してくれたお皿にケチャップライスとふわふわに焼いた卵をのせて包み込みながら人数分のオムライスを作っていく。
それを何も言わずにテーブルに運んでくれる荼毘さん。
ヒミコちゃんとトゥワイスさんはスプーンやコップを出して並べてくれている。
スピナーさんは飲み物を、マグネさんと黒霧さんは別で作っていたサラダを運んで並べてくれる。
こうしていると大家族みたいで何だかほっこりした気持ちになる。
「わぁ〜♡見てください!!
オムライスに名前が書いてあります〜♡」
とむら、だび、ヒミコ、じん、あつひろ、スピナー、マグネ、くろぎりとオムライスに皆の名前を書いてみるとヒミコちゃんがとっても喜んでくれた。
『私、昔からオムライスには名前を書いてたから
癖で書いちゃった』
「…オムライスには名前を書くのか?」
「それは育った家庭それぞれだと思うぜ?」
弔くんが不思議そうに“とむら”と書かれた自分のオムライスを見つめながら言えば、圧紘さんが応える。
そして全員が揃えば一緒に食べ始める。
「うんめェェ〜〜!良い嫁さんになるな!
ならねェーよ!!」
「ちゃん美味しいです〜♡」
「ホント、良いお嫁さんになるわね♡」
トゥワイスさん、ヒミコちゃん、マグネさんが口々に褒めてくれて作った甲斐があったと嬉しくなってニコニコしちゃう。
『お口に合って良かったです!
こんなに喜んでもらえると
作った甲斐があります』
たわいもない会話を楽しみながら皆で食事をするこの時間がずっとずっと続けばいいなぁ…と願うだった。