第2章 はじまりと襲撃(♡)
パチンッと指が鳴る音がしたと思えばそこは先程までいた戦場だった。
一瞬状況が掴めなかったが、すぐにコンプレスが個性を解除してくれたとわかるとのすぐ側で横たわって意識を失っているコンプレスに気付き慌てて側に寄る。
『コンプレスさんッ!!何があったのですかッ!?
コンプレスッ…えっ、やぁッ…
きゃああぁぁーーーッッ!!』
コンプレスの肩を揺すりながら状況がわからず声を掛けるも、突然ピタッととコンプレスの身体が磁石のS極とN極のようにピッタリくっついたかと思えば、他の敵連合のメンバーと一緒にそのまま気絶した黒霧が強制発動で開かれたワープゲートの中へと引き寄せられながら撤退したのであった。
『……ッ、いったたたた…………』
コンプレスと抱き合うように横たわっていたはゆっくりと起き上がり視線を周りに配ると、そこは薄暗い何処かの廃墟の建物の中に転送されていたようだった。
「ちゃん、大丈夫ですか?」
無事だったヒミコちゃんが側に寄ってくると心配の声を掛けてくれた。
『うん、何とか…私は途中コンプレスさんの
個性で守ってもらっていたから…
ヒミコちゃんも大丈夫?』
無傷だというヒミコちゃんにホッと安心して小さく微笑むと他の皆も意識を取り戻したようでゆっくりと起き上がり。
「…っ…、ッいってぇ…酷い目にあったぜ」
『コンプレスさんッ、!!…っ…』
側で横たわっていたコンプレスがすぐに意識を取り戻し、圧縮で仮面だけを直し後頭部をガシガシ掻きながら上半身を起こすと飛びつくようにコンプレスの首に腕を回してギュウッ…ときつく抱きつく。
「心配かけてごめんね?
ほら、もう大丈夫だから…ね?」
コンプレスの首筋に顔を埋め、一向にこちらを見ようとしないの栗色のふわふわの髪を安心さすように撫でながら優しい声で言うとコンプレスもギュッ…と抱きしめ返し。