第8章 超常解放戦線
『…次はこっちね。』
紫色に変色した右手と右腕に両手をかざしてまた治癒治療を始める。
やはり怪我の具合が悪いのか、の白くて丸い額に薄っすらと汗が浮かび上がっている。
「…おい、…無理はするな。」
栗色の前髪をそっと掻き分けて、丸い額に浮かぶ汗を左手の薬指と小指で拭ってやると、ふるふると小さく首を降り俺を見つめる。
『まだ大丈夫…っ。
もう少し…もう少しだけだから…、
お願い…とむらくん…っ。』
そう言えば、今度は包帯とギプスで固定している左脚の上から両手をかざして治療するの頭をそっと撫でてやる。
そしてしばらくすれば、スッ…と柔らかな光が消えると幾分か怪我の状態が良くなったように思われる。
「ありがとな…。…体調は大丈夫か?」
『…うん、大丈夫。怪我…どう?
少しマシになったかな…?』
「…あぁ。幾分か良くなったみてェだ。」
『それなら良かった…。』
心底安心したように表情を緩め、ふにゃ…と力なく笑うの頬に手を添えると額と額をくっ付けて大きな瞳を覗き込むとチュ…、と口付ける。
『…とむら、くん…?///』
「治療してくれた礼だ…。」
紅い瞳を細めて笑う弔くんの表情にドキン…ッ、と胸を高鳴らせ頬を染める。
「そんな顔すンな…止まらなくなる…。」
『…んっ…』
頬に添えられた手にまた力が入るとふに…、と少しかさついた唇が重なるとまた弔くんと0距離になる。
今度は親指で下唇をなぞられると同時に少し出来た隙間からぬる…、と弔くんの舌が口内へ入り込む。
クチュ…クチュ…とえっちな音をたてながら絡められる深い口付けに甘い声が漏れてしまう。
絡めとられる舌の動きに…ふと指先で触られる耳の感触に…私の下腹部がキュン…と甘く疼く。