第8章 超常解放戦線
ふと、髪を拭いていた手を義指をはめられた弔くんの大きな手で包み込まれるとパサ…と頭からタオルが落ちる。
そのまま立ち上がり腕を引かれるとポスン…と弔くんの胸板に額を押し当てられ抱き締められる。
「…大丈夫だ。
俺はお前から離れたりしない。
だから…お前も俺から離れるな…。
ずっと側にいろ…。」
弔くんの言葉にハッ…と顔を上げると、瞳を潤ませながら紅い瞳を真っ直ぐ見つめる。
「だから…そんなに寂しがるな。」
『…ぅんっ…うん、弔くん…っ。』
弔くんの胸板に顔を埋め、溢れる涙を隠すように背中にぎゅっと腕を回して抱きつく。
「は泣き虫だなァ…。
ほら、顔上げろ…」
そっと両手で頬を包み込まれるとゆっくりと顔を上げられ…。
「…泣いていても可愛いな、お前は…」
瞳を潤ますを愛おしそうに見つめる死柄木。
目尻に溜まる涙をペロリ、と舐められると頬を真っ赤に染め、恥ずかしさから涙が止まる。
「…はは、泣き止んだ。」
『もぅ…とむら、くん…っ、///』
「お前の事、泣かしたくない。大事だから…」
『…ありがとう、弔くん…だいすき。』
こんなにボロボロになってしまった弔くん。
泥花市で見た弔くんとリ・デストロの戦いは本当にどちらかが死んでしまうか、もしくは相打ちで二人ともダメになっちゃうかと思うほど…本当に本当に壮絶な戦いだった。
もうあのまま弔くんに会えなくなってしまうかもしれないと不安で不安で胸が押し潰されそうだった。
でも、こうしてちゃんとここに弔くんはいる。
ちゃんと帰って来てくれた…。