第7章 囚われのお姫様
『…あつ…ひろ、さん…っ。』
「…ちゃん!!大丈夫か!?
すぐに解いてやるからな…っ。」
きつく縛られていた紐を解きほどくと、白く細いちゃんの手首は薄っすらと赤くなっていて…。
「…ここ、こんなに赤くなっちまって…。
痛かったろーに…ごめんな、助けに来るのが
遅くなっちまって…」
『…圧紘さん…ッ…、
助けにきてくれて…ありがとう…っ。』
赤くなった私の手首を優しく撫でてくれる圧紘さん。
そんな圧紘さんにぎゅっときつく抱きつき、震える声を抑えるように圧紘さんの首元に顔を埋める。
「…無事で本当に良かった…。」
きつく抱きつくちゃんの震える身体を安心させるように抱きしめ返してやる。
そしてそっと身体を離すと頬を両手で包み込むと大きな瞳に潤む涙を親指で拭ってやる。
さっきのリ・デストロの一撃で吹き飛んだと思われてた死柄木のコピーが生きていて反撃に出る。
その間にトゥワイスは義爛を助け、俺もちゃんを安全な場所へと連れて行く。
「…トゥワイス、コンプレス。
義爛とを守るならクッション出しとけ。」
「…クッション?」
コピーの弔くんの言葉にトゥワイスさんが首を傾げ、私と圧紘さんも不思議に思いお互い見つめ合いながら首を傾げる。
「最初の一撃で…窓枠に引っかかってよ…。
眼下のあいつと目が合った。
…来てるぜ。
あいつはきっとタワーに触る…
俺ならそうする。」
その瞬間、ビキビキビキ!!と音を立てて下からタワーがひび割れて崩れだしていく。
「ちゃん!!俺にしっかり掴まってて!!」
『…ゃっ…圧紘、さんッ、こわぃ…っ』
「大丈夫、俺を信じて…ッ…!」
だんだんと崩れていくタワーに恐怖を覚えると、私の頭を守るように圧紘さんの大きな手が添えられ、身体も守るようにきつく抱きしめてくれる。
私も圧紘さんの首に腕を回してきつく抱きつけばその周りを増殖したトゥワイスさん達が私たちを囲むようにくっ付いてクッション代わりになってくれて、そのまま崩れていくタワーと共に急降下していく。