第7章 囚われのお姫様
ガラッ……ガラガラ……ッ…。
「…ッてぇーー…、ちゃん大丈夫か?」
『ぅん…っ…なんとか……。』
大きな音を立ててタワーが全て崩壊すると、瓦礫から守るように私と圧紘さんの周りを増殖したトゥワイスさんがたくさん崩れていて大きなケガもなく助かった。
「…巻き込まれる前に逃げるぞ!」
弔くんとリ・デストロの対峙する物々しい雰囲気にトゥワイスさんが爛蘭おじさまを背負うと圧紘さんも私の手を取り、その場から逃げるように離れる。
すると遠くからものすごい音が聞こえてきたかと思うとギガントマキアがこちらに向かって走ってくるのが遠くから見え。
『えっ⁉︎……どうして…ッ……』
「…チッ…珍しく早起きしやがって……」
『弔くん!…このままじゃ…弔くんが…ッ。』
「大丈夫だちゃん!
死柄木なら…アイツならきっと大丈夫だ…。
それよりもここから早く離れねェと…」
圧紘さんの言葉に頷くも、後ろ髪を引かれる思いでもう一度弔くんに視線を向ける。
『(弔くん…大丈夫だよね…。
こんなところで死なないよね…?
きっとまたみんなで会えるよね…。)』
そんな想いを抱えながら圧紘さんに手を引かれ、ひたすら走り抜けた…。
それからは色々な事があっという間に進んでいった…。
リ・デストロとの命を削る戦いの中で弔くんが幼い頃の辛い過去の記憶を思い出したと共に、自身で個性を全力で解放した。
その力は凄まじく、たった一撃で泥花市は壊滅し、リ・デストロは弔くんの圧倒的な存在を目の当たりにし戦意喪失、屈服し、降伏を宣言した。
ギガントマキアは弔くんのその姿をかつての主であったオールフォーワンとの姿を重ね合わせると一筋の涙を流した…。
そして弔くんを主の後継者として認めたのであった。
異能解放軍はリ・デストロをはじめとし、弔くんについていく事を宣言した事を後から一部始終を見ていたスピナーさんから聞かされた。
そして今は人里離れた山奥にある群訝山荘を本拠地に構え、身を潜めていた。