第2章 はじまりと襲撃(♡)
少し息苦しくなってきたのか、俺が掛けてやったコートを小さな手でぎゅっと握る力が強くなった事に気付くと、名残惜しいが最後にくちゅ…と舌をひと絡めしてからそっと唇を離した。
『…ハァ…ッ…あつ、ひろさん…。///』
「…急にごめんね?
我慢、できなかった…。
この事は二人だけの内緒、ね?」
『…はぃ、二人だけの…内緒、です…。』
「…ん、ちゃん大好きだよ。」
『私もです…圧紘、さん…大好きです…///』
ぎゅっと優しく抱きしめてやると俺の腕の中でふんわり微笑むちゃんがどうしようもなく愛おしく感じた。
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その日の夕刻。
弔くんはテレビで流れている雄英高等学校謝罪会見を見て何だかご機嫌だった。
今、目の前では椅子に拘束されている雄英生に弔くんが敵連合に勧誘していたりと色々不穏な空気が流れていた。
私はというと、危険かもしれないからと圧紘さんの背に守られるように背後に回され圧紘さんのオレンジ色のシャツを控えめに握りながら状況を見守っていた。
テレビから流れる雄英高等学校謝罪会見では今プロヒーローと警察で協力をして、行方不明になっている生徒の足取りを必死で探しているが捜査は難航していると言っていた。
弔くんが敵連合に勧誘するのならば対等な立場にしなければならないといって拘束を外すと、雄英生の爆発の個性で弔くんの顔に付いている手が吹っ飛びますます緊迫し始めた空気になり…
そんな張り詰めた緊張感の中、BARの入り口からコンコン、とノック音がなると“ どうも、ピザーラ神野店ですぅ ”と場違いな声が聞こえたと同時にそれは突然やってきた。