第7章 囚われのお姫様
「…あぁ、わかっている。俺に考えがある。」
そう言えば、カチッと耳の通信機を押す死柄木。
「…ドクター、聞いてたんだろ?」
【…あぁ、異能解放軍が生きていたとは!
お前たちは闇の活性を上げるのう〜!!】
「あのデカブツ起きるまであと何時間ある?」
「…邪魔が入らなけりゃ2時間35分後に起きる。」
コンプレスが応えると死柄木がまたドクターに問う。
「…ドクター、荼毘の居場所は?」
【今は…三重と滋賀の県境じゃな。】
「いいとこ居やがる……よし。
転送頼むぜ。行くぞ。」
「…突っ込むのかよ!
相手の11万人がマジだったら
どうするんだ!?」
今度は死柄木の言葉にスピナーが問う。
「…アレは無敵じゃない。
1ヶ月以上も戦ってるとわかる。
HP(体力)が多過ぎなんだ。
そしてアイツは俺が何処にいても
探し当て追ってくる。
ギガントマキアをその11万人に
ぶつけて戦わせる。
さすがのデカブツも少しは疲れてくれるだろ!」
拳を掌にぶち込みながら楽しげに言う死柄木。
【狡いのォ〜〜〜!!
逆に全部ハッタリだったらどうするんじゃ!!】
「…馬鹿が死ぬだけだ。
それに一番の目的はと義爛奪還だ。
あとはどーでもいい。」
耳元の通信機から大声で叫ばれ、ピクピクしながら言う死柄木。
「…………行くんだな。」
「…あァ。俺たちの大切なお姫様を助けにな。
そして俺たちを怒らせた事、後悔させてやる。
全部…ぶっ壊してやる。」
スピナーの言葉に遠く彼方を見て言う死柄木。
「(…ちゃん…。
すぐに助けに行くから…どうか…、
どうか…無事でいてくれ…っ。)」
胸元で緑色に光るループタイの前でぎゅっと拳を握り、祈るようにの無事を願うコンプレス。
そして一同は愛知は泥花市へ転送されたのだった。