第7章 囚われのお姫様
【目的は異能の解放。
人が人らしく能力を100%発揮できる世の中、
既存の枠を壊し再建することだ。】
「今すぐとブローカーを解放しろ。」
【…それは聞けない願いだな。
まず彼女と彼は一応、人質さ。
君たちは結束が固いと聞いている。
彼は立派だよ。仕事に対する意識が高い。
常に警察、ヒーローの目を警戒し、
闇に身を潜めてきたのだろうね。
故に同じ闇からの追求には遅れを取った。
讃えよう。顧客リストを完璧に消去した事。
指を削がれても情報どころか、
うめき声一つ上げなかった事。】
「…ペラペラ、ペラペラうるせェーンだよ。
さっさととブローカーを解放しろと
言ってるんだ。」
紅い瞳を細め鋭く睨みつけながら言う死柄木。
【潜伏解放戦士11万6516人、
すでに決起の準備はできている!!
衛星カメラで君たちをロックしている。
どこに行こうと居場所は筒抜け!
来なければエンデヴァーにホークス、
エッジショット、ミルコにクラスト。
ヒーローに通報すれば総力をあげて
君らを包囲するだろう!!
悪名高き敵連合!!
戦おう!異能を解放して!!
これからすぐ!
愛知は泥花市へ来るといい。
来れば連合のお姫様と義爛は
解放しよう!】
プツ…、と強制的に通話を切られるとまさかの事態に一同、一瞬口を閉ざす。
「…死柄木。悪いけど、俺は行くぜ。
愛知、泥花市に…。
ちゃんが人質にされてンのなら
俺は命張ってでもちゃんを助けに行く。」
死柄木の前に立ち、意を決したように力強く拳を握って言うコンプレス。
「考える事があるか!?ないだろ!
義爛は俺に居場所をくれた…!!
それにちゃんもいるなら
尚更だろ!!
助けに行こう、今すぐに!!」
コンプレスに賛同するようにトゥワイスも死柄木に言う。