第7章 囚われのお姫様
「てめェ何でMr.コンプレスの電話出ねェ!!
最低だなてめェ!!」
【あぁ、それは私たちの所為だ。
彼は悪くない。敵名トゥワイス。
分倍河原仁くんだね?】
「…?ボイチェン……?」
「…誰だ。義爛は!?」
スピーカーにしたスマホに向かって叫んでたトゥワイスだったが義爛とは違う聞き慣れない声にコンプレスが首を傾げ、疑問に思いながらスマホに問いかけるトゥワイス。
【今、ニュース等チェックできる状況かい?】
トゥワイスのスマホから聞こえる謎の声に、コンプレスがすばやく自分のスマホをポケットから取り出すとテレビニュースをチェックする。
ニュースの速報で敵連合が現れたとされている指定敵団体死穢八斎會組長邸宅前に中指、保須市ターミナル前で人差し指、護送車襲撃事件の起きた中央高速で薬指、神野区グランドゼロで親指、そしてエンデヴァーの激闘があった福岡中心部で小指が見つかったというものだった。
「俺たちの現れた場所にことごとく…」
「ナニモンだぁーー!!てめェーー!?」
コンプレスがニュースの内容に呟くように言えば、トゥワイスは電話相手に怒鳴りつける。
【異能解放軍 最高指導者、リ・デストロだ】
「ヤクザの次は解放軍かよ…。
レトロブームでも来てんのか。
なんだか最近、本が売れてんだっけ?
あんまり流行りに流されんなよ…。」
電話の相手がわかれば面倒臭そうに言う死柄木。
「義爛はどうした!?目的は何だ!!
あいつはとても良い奴なんだ!!」
スマホの向こう側にいるリ・デストロに叫ぶトゥワイス。
【…あぁ、彼はここにいるよ。もちろん生きて。
そして君たちの大切な大切な治癒個性の
連合のお姫様も一緒さ。】
「…なっ!?ちゃんも…ッ!?
一体、どういう事なんだ!!
おい、何でちゃんまで!?
ふざけンなッ!!!」
デストロの言葉にトゥワイスのスマホを掴み取り、問いただすコンプレス。