第7章 囚われのお姫様
「…っ……?
なぜお前が此処に…」
『義爛おじさま!その怪我…っ。
…ッ、指、おじさま、指…どうしたの…っ』
自分の隣に同じように椅子に縛られる義爛の腫らした顔に右手の指が全て切り落とされた痛々しい姿を見て、瞳を潤ませる。
「彼は敵連合と深く関わりがあったからな。
彼も人質の一人さ。
指は彼らへの宣誓さ。悪く思うなよ…。」
デストロの言葉に瞳に涙を溢れそうなくらい溜めながらキ…ッ、と睨みつける。
『…せめて、義爛おじさまの怪我の
手当だけでもさせてください…っ。
お願いします…っ。』
「それよりも、俺はどうなってもいい…。
だから…頼むから、だけは…
にだけは手を出さないでくれ…頼む。」
デストロを見つめ声を震わせながら言えば、隣の義爛おじさまが声を絞り出すようにして頭を深く下げている。
「…あぁ。そう言えば君達は
血の繋がりはないものの、
親子のような絆で結ばれているんだったな。
泣かせてくれるねぇ…。
お互いがお互いを庇い合う!
だが、解放するのは許せないな。
君たちは大切な人質なのだから…」
ーーーその頃。
「…なぁ、ちゃん遅くねェ?
そろそろ戻って来てもいい時間だよな?」
コンプレスがシルクハットのツバを指先で摘みながら空を見上げて言う。
「…もうすぐ戻ってくんだろ。」
岩に座り込んでコンプレスに応える死柄木。
【プウゥ♪ プウゥ♪ プウゥ♪ プウゥ♪】
トゥワイスの独特な音のスマホが着信を知らせる。
「…あれ?義爛からだ」
スマホを取り出して着信の相手を確認するトゥワイス。
「俺が何回掛けても繋がらなかったのに!
損害保険あるか聞いとけ!」
トゥワイスに向かって怒りを露わにするコンプレス。
「あいつは俺を連合に紹介した後も
心配してくれてるんだ!
とても良い奴だ!!」
そんなコンプレスにトゥワイスが答えながらスマホをタップする。