第6章 突然の別れ(♡)
そしてギガントマキアが眠りについた頃を見計らって、弔くん達の元へと行く。
「……ハァ…ッ……ようやく寝た。
いつメシ食ってんだ、あのバケモノ…っ。」
『圧紘さん、弔くん、トゥワイスさん
お疲れさまでした。
…皆さん、ボロボロ…。』
岩に座り込む弔くんに、膝に両手をついて息を整えるトゥワイスさん、そして帽子も仮面も綺麗な色のコートも義手もボロボロになって泥まみれの圧紘さんを見て眉が下がってしまう。
すると不意に圧紘さんに腕を引かれるとぎゅうっと抱きしめられる。
「はぁ……ちゃん…っ。
こんな汚い格好で抱きしめてごめんね?」
『…そんなの、全然…。
こうして抱き合うと
ストレス軽減になるらしいですよ?』
「まじで?じゃあもう、ちゃんの事
離せねェーじゃん。」
そっと圧紘さんの広い背中に腕を回して同じようにぎゅっと抱きしめ返して言えば、おどけたように更にきつく抱きしめてくる圧紘さんにクスクス笑いながら胸元に顔を埋め、胸いっぱいに圧紘さんの匂いを吸い込み。
「…ちょ、ちゃん!
あんまり今、匂い嗅がないで…っ。
俺臭いから…」
『そんな事ないです…。
圧紘さんの匂い、好き…落ち着くの…っ。』
慌てたように私を引き離そうとする圧紘さんに構わず、今度は私がぎゅっときつく圧紘さんに抱きつくと顔を胸元にすりすりして甘える。
「…ほんと…可愛いんだから……っ。」
圧紘さんの甘くて低い声が耳元に落ちてくると胸元に擦り寄る私の頭を優しく撫でてくれしばらく二人の時間を過ごす。
それから木の枝をたくさん集めてきて、トゥワイスさんのライターで火をおこすとみんなで暖を取ったり、圧紘さんの個性で仕舞っていた大鍋に川から水を汲んできてお湯を作ると、タオルをつけてホットタオルを作ると汚れた身体を拭いたりして身なりを整えていた。
私も微力ながら治癒を使って、擦り傷や切り傷など細かい小さな傷を治したりしていた。
そしてまたギガントマキアが起きてくると戦闘から離脱して、マキアが次の睡眠に入るまでの間、離脱組は食料や日用品など必要なものの調達をする。