第6章 突然の別れ(♡)
「…よし、行くぞ…お前たち。
黒霧が身を挺して探し出した力のもとへ…」
そして私たちは山奥のまたその奥の奥にある人気のない山奥に来ていた。
そして私たちは目を見開く事となる。
突然地面を割って目の前に現れた、規格外の巨大な野人を見て……。
「…探した…やっと見つけた……。
お前が…オールフォーワンを継ぐものか…?」
首からラジオを下げた巨大な野人が現れた事で起こった風圧に飛ばされそうになりながら圧紘さんは私を庇うように背に守ってくれ、私は圧紘さんの山吹色のロングコートを握って身を寄せる。
「…これが、オールフォーワンが
残してくれた力か…黒霧…っ。」
弔くんが野人を見上げて呟く。
ギガントマキア。オールフォーワンが育て、最も信頼する直属の配下の一人。通称「マキア」。
圧倒的なパワーで周囲を蹂躙する『歩く災害』。
筋骨隆々の巨体に、岩石のように刺々しい顎部と背面、鬣のような雄々しい茶髪を持つ屈強な男である。
次の瞬間、ギガントマキアが両手を上げ振り下ろすと凄まじい風圧で連合のみんなは飛ばされていく。
「うわあぁぁぁーーーー!!!!
何故だ、オールフォーワン‼︎あんまりだぁーー‼︎
主よぉーー何故だぁぁーー!!
彼は弱すぎるぅぅーーー!!」
涙や鼻水を流しながら叫ぶギガントマキア。
「…困ってるようじゃな、死柄木よ。」
側に落ちていたギガントマキアが首から下げていたラジオからドクターの声が聞こえる。
「…ドクター。」
「…元気かね?」
「…あぁ。ただ1秒後にはミンチかもな。」
弔くんとドクターが会話をしてる間も頭を抱えて泣き叫んでいるマキア。
「そいつはギガントマキア。
かつてボディーガードとして
オールフォーワンを支えた男じゃ。
尋常ならざる耐久力を持ち、複数個性持ちに
改造なしで適応している。」
オールマイトに勢力を削がれ、敗北を予感したオールフォーワンはその男を隠した。
弔くんを拾って数年後の話らしい。
自身がどうなろうとも夢を遺志を終わらせぬためだとドクターは言う。