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【ヒロアカ】*Linaria この恋に気づいて*

第6章 突然の別れ(♡)



それからはあっという間だった。


圧紘さんの圧縮した大きな岩でパトカーを吹き飛ばし、荼毘さんが護衛にあっていたプロヒーローを蒼炎で燃やし、それを圧紘さんの個性で圧縮して閉じ込めて。

弔くんは治崎の乗った護送車を襲って、護送車からベッドごと蹴り出して治崎を外に出すと、目的の一つである完成品と血清を手に取る。


「…殺しに来たのか…?」

「いーや、お前が最も嫌がる事を考えた。
 …俺はお前が嫌いだ。偉そうだからな。」


治崎が覇気もなく呟くように言えば、弔くんは抑揚のない声で返す。
すると、治崎の左腕を圧紘さんが圧縮で切り落とし。


「…………俺も。」


弔くんに同意するように圧紘さんも言えば、左の義手で仮面を外すと圧縮したビー玉を見せて右手で握ってパッと開くとなくなるというマジックを見せてからその手をヒラヒラさせて治崎を煽る。


「…コレさ、二箱あるけどどっちが完成品?
 まァ、いっか…。」

「……返せ……っ。」


弔くんのひとりごとのような言葉に先程よりも覇気のある声で言う治崎。


「…あのな、オーバーホール。
 個性消してやるって人間がさ、
 個性に頼ってちゃ…いけねェよなぁ?」


その瞬間、弔くんが5指で治崎の右腕を掴み崩壊させていく。


「…切り離さないと全身、塵になっちまう。」


そしてナイフを取り出し、ザクッと治崎の右腕を切り落とすとナイフを道路に投げ捨てる。


「…よし。これでお前は無力非力の無個性マン。
 お前が費やししてきた努力はさァ…、
 俺のモンになっちゃったよォ…!!
 これからは咥える指もなく、
 ただただ眺めて生きていけェ…っ!!
 ……頑張ろうなァ!!!!」


弔くんはマグネさんと圧紘さんの左腕の報復として崩壊させ、圧紘さんは自分の左腕の報復として圧縮し治崎と死穢八斎會への復讐を終えた。


その横でトラックから降りた私は、治崎を冷たい瞳で見下ろしていた。

「…おぃ、…お前…治癒個性なんだろ…。
 俺を…治せ……早く…っ。」

『…私の個性では欠損は治せないわ。
 残念でしたね、オーバーホールさん…。
 マグネさんの死を…圧紘さんが無くした左腕の
 痛みを…存分にその身で味わえばいいわ…。』

自分でも驚くほどひどく冷たい声で言えば、側にいる圧紘さんの左腕の義手に腕を絡めてぎゅっと寄り添う。


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