第6章 突然の別れ(♡)
そして数日後、ヒミコちゃんとトゥワイスさんは死穢八斎會へ赴くことになった。
『ヒミコちゃん…本当に気をつけてね?
何か困った事があればすぐに連絡して。』
「ちゃんありがとうございます♡
トガはちゃんと離れるのが
ちょっぴり寂しいです。」
『…ヒミコちゃん…、私もだよぉー…っ。』
ぎゅっとヒミコちゃんと抱きしめ合いながらしばしの別れを惜しむ。
その側でトゥワイスさんも“俺は? 俺は?”と身体を揺らして待っていたのでトゥワイスさんともぎゅっと抱きしめ合う。
『トゥワイスさん…ヒミコちゃんの事、
よろしくお願いします。』
「おぅ!!任せとけーー!!知るかよ!!
そいじゃあ、ボス!行ってくるぜーー!!」
「行ってきます♡」
トゥワイスさんとヒミコちゃんが手を振って出て行く。
その姿をずっとずっと見えなくなるまで手を振って見送るのだった。
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トゥワイスさんとヒミコちゃんが死穢八斎會に潜入して数日後。
『…圧紘さん、だいぶ慣れましたか?』
「あぁ…、今の義手はスゴいもんだねェ。
見てよコレ、自分の意志みたいに
自由自在に動かせるんだぜ?」
義爛おじさまに作ってもらった義手をはめた左腕を上げながら、関節を曲げてみたり器用に指先を動かす圧紘さん。
でもその腕はシルバーの温もりも何も感じないただの鉄の塊で…。
まだ見慣れない私は、やっぱり圧紘さんのその義手を見るたびに落ち込んでしまう。
「…ちゃん。」
圧紘さんに呼ばれて視線を上げると目の前に差し出された義手から一輪の花がパッと出てくる。
『……圧紘さん…これ……っ。』
そう…圧紘さんが差し出してくれた桜色の可愛らしい一輪の花は、あの日…私が初めて敵連合に連れられて、そして圧紘さんと出逢って、圧紘さんのマジックを初めて見て、初めて圧紘さんからもらった…あの時と同じお花だった。