第2章 はじまりと襲撃(♡)
もう日はすっかり昇っていたが、この薄暗いビルの奥に佇む隠れ家的なBARには薄っすらとしか日が入らず、室内は照明も付けてない事もあり薄暗かった。
「……ん…っ、……」
薄暗い静かなBARの中、皆がまだ眠る中、壁に背を預け座りながら眠っていたコンプレスが小さく息を漏らして薄っすらと茶色の瞳をゆっくりと持ち上げて起きた。
ゆっくりと辺りを見回すとまだ誰も起きてない事を確認し、BARにいない死柄木と黒霧は別室で休んでるのだと思い、トガはBARカウンターの席に顔を埋めてまだまだ夢の中。
荼毘やトゥワイス、スピナー、マグネもその辺りに転がって眠っている。
そっとBARにあるソファーに近付いて覗き込むと、小さく体を丸めて横になり、栗色のふわふわの長い髪を無造作に靡かせてすぅすぅと小さく寝息を立てて眠るを見つけ。
その寝顔が…寝方が幼い子どものようで可愛く想い、クスッ…と小さく笑みを溢す。
ふと、ブランケットもタオルケットも何も掛けずに眠っているの姿に気が付くと、そっと自分の山吹色のロングコートを掛けてあげるとまだ夢の中のの前にしゃがみ込み、寝顔を覗き込むコンプレス。
目にかかってる栗色の前髪をそっと分けるように梳くとそのままのなめらかな色白の柔らかい頬を起こさないように優しく撫で…
「…無理させちまったな…っ。」
小さく呟くと愛おしそうに目を細めてその可愛らしい寝顔を見つめながら再び親指の腹でゆっくりゆっくり頬を撫でているとふいに、ピクっ…との肩が揺れ。
『……んぅ…っ、あれ、コンプレス、さん…?』
長いまつ毛がゆっくりと持ち上がり、大きな瞳が開くと、まだ夢の中と現実とを彷徨っているかのように瞳が揺れていて。
その大きな瞳にコンプレスの姿を映すとまだ寝惚けているようで小さく呟き。
「…ごめんね、起こしちゃった?」
そっとの頬から手を離すと覗き込みながら小首を傾げて小さな声で謝るコンプレス。
『ぁ…ぃえ、おはようございます…っ。』
そっと体を起こしてふるふると小さく首を振り、辺りを見渡すとまだ自分とコンプレスしか起きてない事を察するとコンプレスと同じように小さな声で言い。