第6章 突然の別れ(♡)
しばらくしてずっと燃え爛れるようにそこにあった左腕の痛みは、まだズキズキと痛みは残るがだいぶ柔らいでいて。
大怪我からの体力が消耗してトゥワイスに抱えられながら朦朧とする意識の中、傷口の痛みが柔いだ事で幾分か呼吸が落ち着いた俺を見て、ちゃんが少しホ…ッとしたように表情が緩んだのを見たのを最後に俺は意識を手離した。
『……あつ、ひろ……さん…っ…。』
「……ッ!!」
そして同時に私も身代わりの痛みと体力の限界を迎えるとふっ…と身体の力が抜け、慌てたように弔くんが抱きとめてくれたのを最後に意識をなくした。
そしてすぐに圧紘さんと私は義爛おじさまの紹介で手配してもらった病院に運ばれた。
私はあれから丸一日、眠っていたらしい。
圧紘さんは数日の、そして私は念の為二日間の入院生活を送った。
目が覚めた時、隣のベッドで圧紘さんが眠っていた。
左腕は治療が施されたのか包帯が巻かれていて、特に痛がる様子もなく穏やかな呼吸で眠っている圧紘さんにホ…ッ、と胸を撫で下ろす。
そっとベッドから抜け出すと、圧紘さんのベッドのすぐ側にあった椅子に座ると眠っている圧紘さんの頬をそっと撫でる。
するとピク…と瞼が震えるとゆっくりと開き、まだ虚な茶色の瞳に私の顔が映る。
『…あつ…ひろ…さん…?』
「……ンッ…、…ちゃん……。」
『……圧紘、さん……ッ…!!』
久しぶりに聞いたような気がする圧紘さんの声に色んな感情が湧きあがり、ぶわ…っと瞳を潤ませる。
「…はは、なんて顔してんの。」
リクライニングベッドの背中をリモコンで上げながら身体を起こし、短い眉を下げて笑いながら側に座る私の頬に右手を伸ばして優しく撫でる圧紘さん。