第6章 突然の別れ(♡)
オーバーホールは自分には明確な計画があり目標があるという。
その計画を遂行するには莫大なお金がいるらしい。
名の膨れ上がったこの敵連合がいれば話は別らしく、具体的な計画や組織を纏める力がないのなら死穢八斎會の傘下へ入り、そして敵連合を使って、次の支配者に俺がなる。と言い放つオーバーホール。
「……………帰れ。」
一瞬、シーンとなった空気を揺らすように一言放った弔くん。
「ごめんね極道くん!
…私たち、誰かの下に付くために
集まってるんじゃないのーー!!」
その瞬間、マグネさんが個性を使ってオーバーホールを引き寄せる。
トゥワイスさんが来るまでのついさっき、マグネさんが話してた。
この間友達に会って来たと。
内気で恥ずかしがり屋だけど、マグネさんの素性を知ってもなお友達でいてくれた娘。
その彼女が言ってたらしい。常識という鎖に繋がれた人は繋がれてない人を笑ってる。
マグネさんはその常識から飛び出したんだと。でもその彼女は飛び出す勇気が持てないわ…と。
「何にも縛られずに生きたくて此処にいる…!!
私たちの居場所は…私たちが決めるのーー!!」
その後一瞬、何が起こったのかわからなかった。
気付いた時にはマグネさんの上半身がパーーンッ!!と破裂して、残ったのは下半身とマグネさんがいつも持っていた大きな磁石だけだった。
「…マ……マグ姉……!!」
みんなが言葉を失い目を見開く中、ヒミコちゃんのマグネさんを呼ぶ声が廃倉庫に響く。
「…先に手を出したのはお前らだ。
ァア…ッ…汚いなぁ…っ…コレだから嫌だ…。」
マグネさんの血を浴びたオーバーホールがゴシゴシと片腕を擦っている。
オーバーホールの個性でマグネさんは殺された。