第5章 敵連合、みんなの夢(♡)
『…荼毘さんが言うと冗談に聞こえない…っ。』
私の栗色の髪に口付けを落とす姿がどこかの絵本の中から飛び出してきたかのような王子様みたいな荼毘さんに頬を染めながら小さく呟く。
「だから俺はいつでも本気だっつってンだろ。
…その気になればいつでもお前の事、
掻っ攫いにいくからな…。」
耳元で甘く囁かれ、色気のある笑みを向ける荼毘さんに不覚にもドキンッ…、と胸を高鳴らせる私。
「…俺の過去の事は…もう少し俺自身の中で
整理がついたら、一番にに教えてやる。」
『はい、荼毘さんがお話ししてくれる
その時まで…待っています。』
「…あぁ…っ。」
至近距離で目が合う荼毘さんの蒼い瞳を真っ直ぐ見つめながら頷けば、その瞳を柔らかく細めて小さく微笑みながら私を見つめる。
それから継ぎはぎの手が伸びてくると、そっと頭を撫でられる。
体温の高い荼毘さんの温かい手で撫でられると、心地よくて目を瞑ってふにゃ…と身体の力が抜けてコテン、と身体を荼毘さんの意外にがっしりとした胸板へ預ける。
「…何だ、甘えたの時間か?」
『…荼毘さんの体温が気持ちよくて…っ。』
「お前はホント…可愛いヤツ。」
そう言えば、ダイニングテーブルに座ったままくっついていた私を軽々と持ち上げると、荼毘さんが座っている膝の上に跨るように乗せられそのまま私の身体を包み込むように抱きしめる荼毘さん。
荼毘さんに“ 可愛い ”と言われると頬をほんのり赤く染め、そして荼毘さんに跨っている自身の格好に恥ずかしくなると顔を見られないようにそっと首元に顔を埋める。
「…照れちまったのか?」
『…色々と…恥ずかしぃ…です…っ。』
「もっと恥ずかしいコト、
いっぱいシてきてンのになァ?」
『…ッ!!///』
荼毘さんの言葉に顔を真っ赤にして上げると、蒼い瞳を意地悪そうに細めながら楽しそうに笑って私を見つめている。