第5章 敵連合、みんなの夢(♡)
「…なァ、。
俺にはもうこんな感情とっくの昔に
捨てたもんだと思ってたンだけどよォ…。
お前に出逢って…、
まだ、俺ン中にも人間らしい感情が
こんなにも残ってたンだと気付かされてよ…。」
『…荼毘…さんっ……』
「身体もこんな爛れちまって涙腺なんか
焼けちまって涙も出ねぇのに…。
お前といると俺もまだまだちゃんとした
人なんだって思えンだよ。」
普段からあまり語らない俺からポツリポツリと紡がれる言葉に、俺の腕の中で静かに耳を傾ける。
何か思うところがあったのか、抱きしめているの小さな身体がピク…と動くと遠慮がちにそっと俺の背中に腕を回す。
『荼毘さんの過去に何があったか
私はわかりませんが…、
荼毘さんは荼毘さんです。
身体が爛れちゃってても、涙が出なくても
荼毘さんはちゃんとした人です。
それに今のこの超人社会では
これも立派な個性じゃないですか!』
そっと身体を離して、俺の蒼色の瞳を見つめながら笑みを浮かべる。
「前から思ってたんだが…
お前は俺の事怖くないのか?
大概のヤツはこの見た目を気持ち悪がるが…」
『全然です!
荼毘さんはいつも私が困ってる時に
すぐに気付いて助けてくれます。
そんな優しい荼毘さんの事怖いはずないです』
「…やっぱお前、イイ女だな。」
愛おしさに蒼い瞳を細めてを見つめる。
そんな俺の瞳に頬を染めながら恥ずかしそうに俯く。
の表情に胸を小さく高鳴らすとそっと赤く染まる頬に手を添えるとその小さな唇にチュ…とリップ音を鳴らして口付けを落とす。
『……ッ……///』
「…このくらい許せ。」
突然の俺からの口付けに瞳を大きくし、ビックリすると更に頬を赤く染め上げ。
そんなに小さく笑うと悪びれる事もなく呟く荼毘。
『だ…荼毘さん、心臓に悪いです…っ。』
「何言ってやがる。
本当は抱き潰したいくらい
お前の事想ってるってのに。」
『だッ!!…抱き、ッ……!!///』
「Mr.や死柄木に泣かされたら
いつでも俺が慰めてやるかな…。」
栗色のふわふわの髪を一房掬い上げるとそれを口元に持っていき口付けながら蒼い瞳を細め真っ直ぐ見つめて言う。