第4章 初任務(♡)
「…あんな香水臭くて、化けの皮貼ったような
厚化粧女になんか興味はねェ。
その点、お前は顔も綺麗だが中身もイイ女だ…。
お前に夢中なのがミスターだけだと思うなよ?」
圧紘さんの腕の中にいたかと思うとグィ…っ、と腕を引かれ気付けば荼毘さんが間近にいて。
私の腰に手を回して抱き寄せながら、顎を掬うように指先でクィ、と持ち上げられると澄んだ蒼い瞳が私を真っ直ぐ見つめる。
すると荼毘さんが編み下ろした長い栗色の髪を手に取ると口元に持っていき、チュ…、と私を見つめながらまるで王子様のように口付けを落とす。
『…だ…荼毘、さん…っ。///』
その一連の流れが…、タキシード姿の今の荼毘さんの姿に…、そして荼毘さんの綺麗な蒼い瞳が真っ直ぐ私を見つめているかと思うとまた頬を真っ赤に染め上げて、ドキドキ胸を高鳴らせながらそっと、見つめ返す。
「…そうやってすぐ赤くなるトコロも、
恥ずかしがる顔も俺のツボだ。」
継ぎはぎの手で頬をスル…、と包み込まれると愛でるように親指で目元を優しく撫でながら蒼い瞳を細めて柔らかく微笑む荼毘さん。
「…そんな可愛い顔、ホイホイ男に
見せンじゃねェ。」
『…え、ン…と、弔…くん…っ?』
ふいに視界が真っ暗になると目元に感じる大きな温かな手の感触。
そして私の背後から聞こえてくる弔くんの声と、背中にも感じる温かな弔くんの気配と香り。
それからすぐに後ろから弔くんに抱きしめられながら手で目隠しをされているのだとわかる。
『ぁ…あの…、弔くん?手…離してくれる?
何も見えなぃ…っ。』
「…お前は俺だけを見てればいい。
他のヤツなんて見るな…よそ見するな。」
視界が明るくなったかと思うと、弔くんの紅い瞳が目の前にある。
いつの間にか向き合うように頬に弔くんの両手が添えられながら視線を合わせるように持ち上げられている。
弔くんの瞳が私の瞳の奥深くを覗き込むように真っ直ぐ見つめられると目が反らせなくなり、小さくコクン、と頷く事しかできない…。
それと同時に、弔くん、荼毘さん、圧紘さんの独占欲を全身で感じると自然と表情が緩んでしまう。