第4章 初任務(♡)
「…にしてもなんでいつもは
約束を守るちゃんが
一人飛び出して行ったンだ?」
また私の座るソファーにそっと片膝をついて座り込み、茶色の瞳で見上げながら短い眉を下げて圧紘さんが尋ねる。
『…ぇっと…それは…っ。』
お偉いさん方とお仕事の話をする、私が見た事のない、私の知らない普段とは違うリーダーの顔をした弔くん…。
圧紘さんと荼毘さんに纏わりついて、猫撫で声で色っぽく誘う女の人達の姿…。
そんな弔くんや荼毘さんや圧紘さんの姿を見て…ヤキモチを妬いてしまった…っ。
『私の知らない…リーダーの顔をした弔くんや…、
圧紘さんや荼毘さんに近づく女の人達に
ヤキモチ…妬いちゃいました…っ。
あのままあそこに居たら
私…泣いちゃいそうで…っ。』
私の言葉に目をぱちくりさせて、キョトン…とする弔くん、荼毘さんに圧紘さん。
すると、ふわ…と圧紘さんに抱きしめられる。
「…ったく、そんな事でヤキモチ妬いちゃうなんて
ちゃん可愛すぎでしょ…っ。」
『…だ、だってぇ…あんなに綺麗で美人な人が
あんな風に擦り寄ってきちゃうと、
圧紘さんだって悪い気しないでしょ…?』
「…あのねェ、俺はちゃんにしか
興味ないの。わかる?
こんなに一人の女の子に夢中になるなんて
これからも、これから先も…、
ちゃんだけだよ…っ。』
圧紘さんのしなやかな指先が耳をスリ…とひと撫でしてから私の頬に触れると、茶色の瞳を愛しげに細めながら私を真っ直ぐ見つめて言う。
『…圧紘、さん…っ。///』
あまりにも愛おしげに…そして真っ直ぐ見つめて想いをストレートに伝える圧紘さんに思わず頬を真っ赤に染めて照れてしまうと顔を俯かせてしまう…。