第4章 初任務(♡)
「…そんな顔しないでよ。
俺が良くしてあげるからさぁ…ね?」
いとも簡単に私の両手を片手で纏め上げると晒された白い首筋に舌を這わせて舐め上げられる。
『ひゃあッ…やっ、』
「ハァッ…いい声、可愛いねっ…」
ビクンッと身体を揺らし、嫌なのに勝手に上擦った声が出てしまう私に気分を良くした男の人が息を荒げて言い。
「もっと可愛い声…聞かせて?」
背中に手を回されファスナーを下されると緩むドレスの胸元から手を差し込まれ、やわやわと胸を揉まれる。
もう片方の手はドレスの裾を捲り上げると内腿に手を這わせ撫でるように上へ上へと持ち上げられれば、あともう少しで私の大事なトコロが下着の上から触れられそうになる…。
『やぁっ、やだぁッ…やめてっ……!!』
ビクンッ、と大きく身体を揺らして瞳から大粒の涙をポロポロと溢した瞬間。
「…おい、何してんだ。」
少し焼け焦げた匂いに聞き慣れた低い声が聞こえると自然と安心したように身体の力が抜けると声のした方へ涙で潤んだ瞳を向ける。
「…ちゃん…っ!!」
次に聞こえてきたのは愛おしいあの人の焦ったような声。
いつもは涼しい顔をしているのに、今は額に汗をかきながらこちらに駆け寄ってくる様子を見れば、必死に探してくれていたのだと思うとまた涙が溢れてポロリ…と零れ落ちる。
「…おい、お前…を泣かした
落とし前はどうつけてくれンだァ?」
紅い瞳に殺気を込めて、腹の奥底から唸るような低い声で言う弔くん。
「…チッ、イイとこだったのに…。
…番犬どもが。」
ぱっと身体を離されるとドン…っと雑に背中を押されて転びそうになる。
「…っと、あぶねェーーっ…。」
転ぶ寸前のところで圧紘さんが抱き止めてくれた。
『…圧紘さん…っ。』
「…何も言わなくていいよ。
それよりもちゃん…コレ着ときな…っ。」
乱れたドレスの上から着ていたタキシードのジャケットを掛けてくれる圧紘さんの姿を改めて確認すれば、安心からまた瞳からポロポロと大粒の涙を溢し圧紘さんを見上げる。