第4章 初任務(♡)
L字型に置かれたふかふかのソファーに弔くんと私、圧紘さんと荼毘さんに別れて座らされる。
ガラス張りのテーブルを挟んで向かい側にも同じようにL字型に置かれたソファーに先程のおじ様達と、どこから来たのか綺麗に着飾った女の人が数人一緒に座る。
こうして見ると、どこかの高級キャバクラの一室のような雰囲気になる。
専属のウェイターなのか、ドアの側でトレーにシャンパングラスを乗せて待機している。
おじ様が指で合図するとそのウェイターさんが一人ずつにシャンパングラスを配っていく。
「…コイツにはノンアルで。」
私の前にシャンパングラスが置かれる前に弔くんがウェイターさんに言ってくれると、ノンアルコールが入ったグラスをコト…と置かれる。
『ありがとう…弔くん。』
ウェイターさんに小さく会釈した後に弔くんへお礼を言えば紅い瞳を細めて柔らかく微笑む弔くん。
そんな弔くんの表情にキュン、と胸が高鳴る。
「…死柄木くんはこのお嬢さんの事を
とても大切にしているんだね。」
「あぁ…そうだな。
コイツの事を悲しませるヤツがいたら
俺の崩壊で粉々さ…。」
「…死柄木だけじゃねェよ。
俺らも…連合の連中全員を敵に回す事に
なるのをよぉーく覚えとくンだな。」
「…そーいうコト♡」
「それは怖い、怖い…。
下手に手出しはできないね。」
とりとめのない会話だが、弔くんの言葉に荼毘さんが便乗し、圧紘さんはウィンクを飛ばしながらも雰囲気からは殺気だっていて…。
みんなが私の事をそんな風に想ってくれていた事がすごく嬉しかった。
それから弔くんとおじ様方は思想がどうとか…リーダーとしての重役が何とか…とか、何だか難しい話に私はついていけなくてノンアルコールのグラスを傾けながらチビチビと飲んでいた。