第1章 過去、そして出逢いへ
「わあぁぁ〜〜!!すごいっ!!
素敵なお花…ありがとうございます、
ぇと…Mr.コンプレスさんっ」
コンプレスのマジックに瞳をキラキラさせ、もらった花を両手で大切そうにキュッ…と握りながらまつ毛の長い大きな瞳を細めながらふんわり微笑みコンプレスを見つめる。
「お安い御用さ!俺の事はMr.でもコンプレスでも
お嬢さんの好きなように呼んでくれ。
こんなに喜んでもらえるなんて
エンターテイナーにとって本望さ!」
相変わらず気障な奴だな…という義爛。
「そんな事より、義爛…こいつの個性は何だ?」
死柄木の言葉に一同がを見つめる。
「あぁ、の個性は回復系だ。」
義爛の言葉にまた一同がを見つめる。
「…何だ、レア個性じゃねえか。
なんでもっと早くに紹介しなかった。」
顔に張り付いてる手の平の隙間からギンッ…と見開いた赤い眼の死柄木に少しビクッ…となる。
「おいおい、死柄木。お嬢さんが怖がってるだろ。
でもそんなレア個性だと今まで色々と苦労して
きたんじゃねぇのか?」
ビクつくの肩をそっと抱くように手を添えるコンプレス。
コンプレスの言葉に義爛が語り出す。
「まぁなぁ…。この子は5歳の時にその個性のせい
で狙われ両親を失くしてる。
たまたまそこに出くわした俺が保護して
今に至るという訳だ。
まぁ、言ってみればは
俺の娘のようなものさ」
『…義爛おじさま…っ。』
義爛の“ 娘のようなものさ ”と言う言葉にうるうると大きな瞳を潤ませる。
「それでだ、死柄木よ。今敵連合も組織として
大事な時期で伸びはじめている。
そこにこのレアな回復系のが入れば
きっとこの組織はもっと伸びると思うんだが。
は戦闘には不向きだがきっと役に立つ。
それに俺も今、色々と危ない仕事に
手を付けている。
だからあまりを側に置いときたくないんだ。
巻き込む恐れがあるからな…
だが、ここだと安心だ。どうだ?」
今まで静かに話を聞いていたが今初めて聞いたと言うようにまた瞳を驚きでまん丸にして義爛を見上げる。