第2章 1話:出会いは保健室で
『ねぇ、オレンジ髪のチビっ子くん知らない?』
「誰だよ、それ」
『気になってる子』
「俺と居んのに他の男の話かよ。興味ねぇ」
『何、嫉妬?』
「んなわけ。」
『ははっ。あからさまに嫉妬してる、可愛い』チュッ
「煽んな。すんなら口にしろよ」
『好きになったらしてあげるよ』
「はいはいって…そいつ知ってるかもしんねぇ」
『何年生?てか、なんで知ってるの』
「1年のバレー部。昼休みに菅原とバレーしてんの見たからだよ」
『ふーん。教えてくれてありがとう。じゃまたね』
バスケ部の男子更衣室から立ち去ろうと立った時
数分前まで体を重ね合った男が私の腕を掴み、引き寄せる。
『バスケ部に見られるよ』
「さっき煽ったお返しな」
そう言い終えると首にチクッとした痛みが走った
『跡つけないでよ、サイテー』
「うっせ。…じゃーな」
手を振りながら先に彼が出ていった
一足遅くに私は男子更衣室を出ていく
あの子、バレー部だったんだ
今度会ったら今日の事文句1つでも言ってやろ
坂ノ下商店で肉まんでも買って帰ろ〜
ヤり終わった後ってどうにもお腹空くんだよね
「おい バレー部ども!店の前で騒ぐな!」
寄ろうと思っていた店から男性が怒鳴る声がして
いじっていた携帯から目を離し、そちらに目線を向けると
黒いジャージに後ろに"烏野高校 排球部"と白い文字で書かれている男子学生が目に入った。そこには、保健室の時入ってきた"あの子"も居た。
『ねぇ、そこの…』
「おーい お前らも食えよ」
坊主の子が、肉まんが入ってる紙袋を掲げて
私の後ろに向かって喋りかけたせいで私の声は、あの子に届かなかった
『ねぇ!』
先程より、声を大きくして話しかけると黒いジャージを着た5人が私に注目した。オレンジ髪のチビっ子君も私に気付き、顔を真っ赤にさせ、口をパクパクと開けたり閉じたりを繰り返している。
『肉まん食べてる時に悪いんだけどいいかな?』
「お、俺スか!?」
私が求めてる子では無い、坊主の子が頬を赤らめながら自分を指さす。
『俺じゃなくて、そこのチビっ子くん』
「は、はい!!!!」
「日向、お前まさかっ!」
「芹沢とっ!!」