第2章 紀州仇討ち編
それから数刻が過ぎて
泣き疲れて眠ってしまったお智ちゃんを膝に抱えて、自分もうとうとし始めていたら
雅吉が戻って来た
雅吉「なんだ、寝ちまったのかぃ?(笑)」
にの江「そうなんだょ……で、翔吾さんの居所は解ったのかぃ?」
雅吉「ああ、それが…」
お智「ん………んん///」
雅吉が翔吾さんの居所を喋ろうとした時
話し声にお智ちゃんが目を覚ました
お智「あ、雅吉さん…」
雅吉「お智ちゃんよ」
雅吉は、まだ眠そうに眼をしばしばさせているお智ちゃんの前にしゃがみ込んで言った
雅吉「今から見聞きすることたぁ、誰にも言わずに自分の胸の中に仕舞っておくってぇ、約束しちゃあくんねぇかな?」
お智「………え?」
雅吉「…約束するってぇなら、今から翔の字が何をしてるか見せてやるょ」
にの江「何を言ってるんだぃ、アンタ…」
お智「…解りました」
お智ちゃんは雅吉に食ってかかろうとするあたしの手をキュッと握ると
小さく頷いた
お智「約束致します」
雅吉「よぉし、じゃあ付いて来な!」
雅吉はお智ちゃんの返事を聞くと、またひらりと縁側から庭に飛び降りた
お智「…………ここは………私が翔吾さんとよく逢っていたお寺で御座いますか?」
雅吉の案内で向かった先は、お智ちゃんと翔吾さんが、祝言を挙げる前によく二人で来ていたお寺だった
雅吉は、お智ちゃんの問いにニヤリと笑いながら頷くと、境内を顎で指し示した
雅吉「………物音を立てねぇで、覗いてみねぇ」
お智「…………?」
そう言われて、そろそろと境内を覗き込むお智ちゃん
…その、視線の先に…
お智「まあっ…!!////」
にの江「……あれは……」
裸足で
汗だくになりながら
御百度参りをしている翔吾さんの姿があった