第1章 純情恋物語編
(…まぁ、仕方ないっちゃ仕方ないかねぇ…
お智ちゃんは、そんじょそこらのベッピンさんとは、品も格も段違いだものねぇ…)
あたしは改めてキョトンと可愛らしく小首を傾げているお智ちゃんを見た
整った綺麗な顔に、小柄で、頼りなげな雰囲気が、無条件で保護欲をそそる
お智ちゃんはまだ齢が17だけれど
その容姿や所作からは、生まれ付いた品格が漂っていた
その上、娘らしい可愛らしさやら可憐さを惜しげもなく振りまいていて
翔吾さんみたいなスレてないお坊っちゃんなんざ、イチコロで堕ちちまっても仕方がないってモンだ
お智「あの、にの江姉さんにご相談したいコトが……あら?」
こんな可愛いお嬢さんが、江戸の町をフラフラ1人で歩いて此処まで来たのかと思って
危なかっしいったらないから、帰りは送ってあげようなんて考えていたら
お智ちゃんがあたしが握っていた傘を見て目を丸くした
お智「ソレ、昨日私がにの江姉さんにお貸しした傘ですか?」
翔吾「Σえっ!!///」
あたしが返事をする前に、翔吾さんがデッカい声を上げた
翔吾「じゃあ、昨日にの江さんが言ってた大事な人って貴女のコトだったんですねっ!?////」
お智「……はぁ?」
何のコトを言われているのか解らずに、益々首を傾げるお智ちゃん
(あぁ~ぁ、そんなに可愛く小首なんか傾げて……知らないよぅ?(苦笑))
翔吾「Σじゃっ…じゃじゃじゃあ!元はと言えば、あたしが傘を借りれたのは貴女様のお陰で御座いますねッ!!!///」
お智「………はぁ??」
案の定、益々顔を赤くして興奮する翔吾さん
翔吾「じゃあ、コイツは貴女のモンだっ!!!////」
翔吾さんはさっきあたしに押し付けた菓子折りを、あたしの手からふんだくると
お智ちゃんに握らせた