第2章 紀州仇討ち編
にの江「たでぇまじゃあなぃよッ!一体何処ほっつき歩いてたんだぃッ!!」
雅吉「まぁまぁ、そんな目くじら立てなさんな、にの江(笑)」
雅吉はへらへら笑いながら、手に持っていた風呂敷を大倉さんに渡した
雅吉「ほらょ」
大倉「な、何で御座るか?コレは…」
大倉さんが恐る恐る風呂敷を開ける
大倉「Σひ、ひぃっ!!(汗)」
大倉さんは風呂敷を開けるなりそれを放り投げた
宙を舞ったそれの中身が、ぽとりと翔吾さんの頭の上に着地する
翔吾「Σぎゃあーーーッ!!!」
──バタッ
お智「Σ翔吾さんッ!!////」
ぶっ倒れた翔吾さんの頭から、お智ちゃんがそれをぽぃっと放り投げて
今度は潤之助さんの手元に…
潤之助「…コレは…鬢ではないか」
潤之助さんが、渋い顔をして雅吉をキッと睨んだ
潤之助「…これを、何処で…どうされたのです…まさか…」
雅吉「ん~?…拾った。」
雅吉はのんびりと懐に手を突っ込んだまま、惚けた顔をした
潤之助「拾ったですと!?どうやったらこのようなモノを…」
雅吉「コイツはあんたにだ、潤之助の旦那」
雅吉は惚けた顔のままへらへら笑って懐から手紙らしき物を取り出すと
潤之助さんに手渡した
潤之助「手紙?
!!…コレは、生田からの……雅吉殿、一体コレはどう言うことです!?」
雅吉「んん~?……だから、拾った。」
潤之助「拾っ………」
潤之助さんは目を剥いて雅吉を見たが、何かを諦めたようにふぅと息を付くと、手紙を開いた
潤之助「………」
大倉「何と書いてあるのです?」
大倉さんが、首を伸ばして手紙を見る
潤之助「…拙者に、自分の代わりに貴殿に詫びて欲しいと書いてある…
…自分は髷を落として仏門に入るから、後は宜しく頼むと…」
大倉「……仏門に……」