第2章 紀州仇討ち編
翔吾「ごめん下さい!もし、ごめん下さましよ!」
久方ぶりの夜を過ごした翌日の昼過ぎ
体がやたらに怠かったあたしが、奥の間で珍しくゴロゴロしていたら
玄関先で翔吾さんの声がした
にの江「はぁ~い」
あたしは腰を押さえながら、玄関に向かった
すると
玄関先に、翔吾さんとお智ちゃんが寄り添うようにして立っていた
にの江「あら、お智ちゃんも一緒かい?」
お智「はぃ///」
お智ちゃんは何だか恥ずかしそうにモジモジしていて
翔吾さんは、そんなお智ちゃんを、そりゃあ愛おしいそうに見詰めている
にの江「なんだぃ?また何か用かぃ?」
お智「はぃ、昨日のお侍様のお話を翔吾さんにしたら、もっと良い薬があるからと言って…////」
お智ちゃんは顔を赤らめてモジモジしながら翔吾さんの顔を見た
翔吾さんは、お智ちゃんと同じように真っ赤な顔をすると、隣でモジモジしているお智ちゃんの手を握った
翔吾「いえね?
最初はあたしが、雅吉兄さんのお顔が見たいから、あたし一人で届けるって言ったのですが
お智ちゃんが自分も一緒に行くと言いまして…///」
翔吾さんの話の続きを、お智ちゃんが引き受けて話す
お智「だって、私、翔吾さんと離れたくなくて、それで…////」
翔吾「お智ちゃん///」
にの江「………(汗)」
あたしは二人して真っ赤な顔で微笑み合うお智ちゃんと翔吾さんの顔をマジマジと見た
にの江「離れたくないってあんたら……始終一緒に居るじゃないかぃ」