第1章 純情恋物語編
にの江「だからどうしたってんだぃ、このスットコドッコイ!!」
潤之助さんとお智ちゃんが息を呑んで見守る前で、あたしは腕捲りをすると若様に詰め寄った
にの江「いいかい、良くお聞き、このぼんくら若様がっ!!」
若様「Σひ、ひぃっ!!」
にの江「確かにあんたは跡継ぎとして生まれた歴とした若様かも知れないけどねぇ
そんなコトだけで人の上に立つ男になれると思ったら大間違いだよ!!」
あたしは若様の胸倉を掴んだ
若様「Σひぃいいっ!!!///」
にの江「あんたの所為であたしのお家が潰れて、一体どれだけの使用人が路頭に迷ったと思ってんだぃ!?
あたしの実家のちんけな家臣の家ですら、お家が潰れるとなったら沢山の者達が飯の食いでを無くすんだ!
ソレが、一国となったら、どれだけの者達に影響があるのか考えたコトがあるのかぃっ!?」
若様「えっ…」
あたしは、若様を掴んでいた手を少し緩めた
にの江「…あたしの家のコトは良い。
あんたとの縁組みを断った時点で、そうなる事は、あたしにだって予想は出来てたんだ…
…やっぱりそれは、あたしに責任がある……でもね、若様」
あたしは、ぽかんとあたしの顔を見詰める若様に、諭すように言った
にの江「あんたの我が儘一つで、万って言う人間が苦しむことになるんだよ?
あんたがいくらぼんくらだからって、その位の事は解るだろう?」