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蜩(ヒグラシ)の宿─にの江大江戸人情帳─

第6章 盗賊始末騒動編


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雅吉・にの江「「はぁああっ!?(汗)」」




いきなりやってきて訳の解らないことを言う翔吾さんに、雅吉と二人で声を揃えて驚くも

翔吾さんはすっかり浮かれ切っていて、そんなあたしらの様子には気付かないらしい


嬉しそうに興奮しながら、更に有り得ない事を言い出した




翔吾「もうね、ちゃあんとおとっさんとおっかさんに仲人を頼んで置きましたからね!

日取りやら何やらもこのあたしに任せて下さいましよ!

ええ、なんて言ったって、あたしがお智ちゃんを嫁に娶る事が出来たのはお二人のお陰ですからねぇ!

この翔吾が、万事つつがなくご準備させて頂きますよっ!!////」


にの江「ちょ、ちょっとお待ちよ翔吾さん!

誰も祝言を挙げて婿入りだなんて言ってないよっ!!(汗)」


翔吾「じゃ!詳しい事が決まりましたらお宿の方へご報告へ上がりますからね!

可愛いお智ちゃんが店であたしの帰りを待ってますんでね、あたしゃひとまずコレで失礼致しますよっ!!」(←全然聞いてない(笑))


にの江「ちょいとお待ちったらっ!!/////」


翔吾「あ〜〜〜、めでたいっ♪♪」(←笑)




あたしが一生懸命違うと言っているのをこれっぽっちも聞かずに


翔吾さんは言いたいことだけまくし立てて言い切ると

ご機嫌で鼻歌交じりに帰って行った




雅吉「………………………行っちまったな(笑)」


にの江「………(苦笑)」




しばらくの間、呆然と翔吾さんが去って行った方を見ていたら、雅吉がボソッと呟いた


あたしはそれを聞いて苦笑いすると、雅吉の隣に座り直した



そのあたしの肩を再び抱いて、雅吉が言う




雅吉「まあ、アレだ……“人斬り雅之進”の異名が付きまとう“相葉雅之進”って名よりゃあ、“二宮雅之進”ってぇ名乗った方が良いかも知んねぇなぁ」




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