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蜩(ヒグラシ)の宿─にの江大江戸人情帳─

第6章 盗賊始末騒動編


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にの江「ぽんちゃん……って、若様のことかぃ?」


雅吉「ああ……そんでょ、遊び人のナリで大名家のお屋敷に出入りするこたぁままならねぇってんでよ

…良い機会だし…いっちょ、武士に返り咲いてやろうって決心したんだょ」


にの江「……それで、その話を受ける代わりに、って

潤之助さんが?」


雅吉「そう言うことさ(笑)」


にの江「………そう、だったのかぃ///」




身勝手なお殿様に嫌気がさして剣の道を棄てた雅吉が


あたしと侑李の為に、またお殿様に仕える仕事をすることを決心してくれた


…そう知って、知らずと目頭が熱くなる


そんなあたしをしっかりと抱きしめて

雅吉が、きりりとした顔で言った




雅吉「だからよ……ちゃあんと武士としての役目も貰った事だし……

……コレで、名実共に、ほんまもんの武士ってワケさ」




何時もと違う、その凛々しい姿に胸がどきりと高鳴る




にの江「……雅吉…///」


雅吉「……にの江……」


にの江「……雅、吉……」



─ガタンガタンッ

翔吾「聞きましたよ雅吉兄さんにの江さんッ!!!////」



雅吉・にの江「「……………」」(←いい雰囲気だったのにね(笑))




二人して抱き合って見つめ合っていたら

何だか妙に浮かれた感じで翔吾さんが部屋になだれ込んで来た




にの江「なんだぃなんだぃ騒がしいねっ!!(怒)」(←イイトコを邪魔されてちょっと不機嫌(笑))




いきなりなだれ込んで来た翔吾さんに、あたしが思い切りイヤな顔(笑)をしてそう言うと

翔吾さんは、とんでもない事を嬉しそうに話し出した




翔吾「いやぁ〜、お智ちゃんから聞きましたよ!

お二人がとうとう祝言を挙げて雅吉さんが晴れて婿入りして“二宮雅之進”に改名なさるってねぇ!!」(←なんか話が変わってる?(笑))




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