第6章 盗賊始末騒動編
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実ぁなぁ
翔の字んとこに寄って、探りを入れて来てくれってぇ忠義に言われる前ぇによ
俺ぁ、出先から忠義が戻って来るのが待ち切れなくってなぁ
忠義のやつが、稽古を俺に丸投げしやがって何処ぞに行きやがったんだかと思ってよぅ
道場を抜けて、ぶらぶらと町を歩いてたんだよ
そしたらよぅ…
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雅吉「あ〜…忠義のやつ、人に稽古を全部押し付けやがって、何処行きやがったんだかなぁ…」
翔吾「雅吉兄さぁあああ〜〜〜〜〜〜んッ!!!!(汗)」
雅吉「んあ?」
忠義のやつぁ何処行ったんだかなぁ、なんて
何処へ行く訳でもなくぶらぶら歩いてたら其処に翔の字が血相を変えて走って来た
雅吉「なんでぇなんでぇ、翔の字よぅ!
何んなに慌ててやがんでぃ?」
翔吾「あわあわあわ慌てもしますよっ!!おおおお智お智ちゃんがっ!!!(汗)」
雅吉「あ〜?なんだ?お智ちゃん、とうとう産気づきでもしたのか?」
翔吾「居なくなっちまったんですよ恋太郎を連れてッ!!!(泣)」
雅吉「恋太郎を連れて居なくなっただって?
そりゃあ散歩にでも出てるだけじゃねぇのか?」
いきなりやって来て、お智ちゃんが居なくなったと喚く翔の字に、ただ散歩へ行ってるだけじゃねぇのかって言ったら
翔の字は、更に大声で喚き出した
翔吾「そんな訳ありませんよッ!!
お智ちゃんはややが出来てからこっちろくすっぽご飯が食べられなくってすっかり弱っちまってんですッ!!
厠へ立つのだって息も絶え絶えな様子だってのに散歩なんてとんでもないッ!!」
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