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蜩(ヒグラシ)の宿─にの江大江戸人情帳─

第6章 盗賊始末騒動編


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大倉「Σややややっ!!お智さんどうなさったので御座るかっ!?(汗)」




お智ちゃんを抱えて奥座敷へ戻ると、言い付け通りに奥座敷で待っていた大倉さんが、青い顔をしたお智ちゃんを見て大声を上げた




にの江「ちょいとウルサいね大声出すんじゃないよ!加減が悪いのが悪化したらどうすんだぃ!(怒)」


大倉「Σはっ!!もももも申し訳ないッ!!!(汗)」




大倉さんはあたしに睨まれて叱られると、肩を窄めて居住まいを正した


あたしは座敷にお智ちゃんを座らせると、手早く布団を敷きながら大倉さんに言った




にの江「悪いんだけど大倉さん、今日のところはとりあえず帰っておくれでないかぃ?

ついでに道場に居るバカ亭主に、帰りがけに翔吾さんとこに寄って、ちょいと様子を窺って来とくれって言付けちゃくれないかしらね」


大倉「は、はぁ……解りました」




大倉さんはあたしにそう頼まれると、渋々と言った感じで立ち上がった





立ち上がったものの、横目でチラチラとお智ちゃんの様子を窺っていて一向に出て行こうとしない




にの江「はいはいはい、早く道場に戻ってうちのバカ亭主に伝言を頼みますよ!」


大倉「あっ!やっ!をっ!!(汗)」




あたしは、布団を敷き終わりお智ちゃんを床につかせると

一向に帰る気配がしない大倉さんの背中を押して勝手口まで連れ出した



大倉さんは、勝手口まで追いやられてやっと諦めがついたのか、では失礼致しますとかボソボソと言いながら道場へと戻って行った



その姿を見送った後

あたしは勝手処から白湯を湯飲みに入れてそれを手に奥座敷へ戻った





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