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蜩(ヒグラシ)の宿─にの江大江戸人情帳─

第6章 盗賊始末騒動編


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にの江「おや侑李、何してんだぃ?」




家に上がると、侑李が縁側にちょこんと座り、真剣な顔をして繕い物をいじくっていた


侑李は、あたしに声を掛けられるとパッと顔を上げて、いじくっていた繕い物をあたしに見せた




侑李「はい、ははさまの手伝いをしようと思って、つくろいものの続きをしてたのです///」


にの江「あらまあ、そうだったのかぃ?

どれ、見せてご覧?」




あたしは侑李の手の中の繕い物を覗き込んだ


それは、お世辞にも綺麗な出来だとは言えなかったけれど、案外器用に縫いつけられていて

あたしは予想以上の出来に微笑みながら、侑李の頭を撫でてやった




にの江「凄いょ侑李、大したもんだねぇ

でも、手伝ってくれるのは嬉しいけど、くれぐれも怪我ぁしないように気を付けるんだょ?」


侑李「はい!////」


大倉「ははぁ、にの江さんのトコの侑李ちゃんは、繕い物も出来るのでござるか…

…剣の筋もなかなかですし、その歳で読み書きまで出来て…

…これは、将来有望ですなぁ」




うちの可愛い侑李の出来の良さに、大倉さんがあたしの後ろから顔を覗かせて、感心した様に唸りながら言うのを聞いて

侑李が、可愛く微笑みながら大倉さんを見た




侑李「あ、おーくらだ

いらっしゃい、おーくら、こんにちわ!」


大倉「はぁ、ああ、お邪魔致します……こんにちわ(汗)」




大倉さんは、丁寧な口調で挨拶しつつも“おーくら”と呼び捨てられて、微妙な顔をしながら侑李に挨拶を返した




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