第6章 盗賊始末騒動編
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大倉さんは、自分の言うことを鼻で笑うあたしを見ると
あたしに静かにしろなんて言った癖に、さっきより更にデカい声を張り上げた
大倉「なんたってにの江さんだって名だたる美人女将の一人なんですからっ!
相葉さんがいらっしゃるからおいそれと押し込みはしないでしょうが、このお宿にだって見張りの一人や二人が潜んでいるやも知れないでしょう!?
それを、そんな大きな声でお智さんの名前を明かしてしまっては、見目麗しい江戸一番の美人女将がお智さんだって賊に教えてしまう事になってしまいますからっ!!(汗)」
にの江「………だとしたら、今あんたが叫んだその話も、見張りに筒抜けだね(苦笑)」
大倉「………はっ(汗)」
大倉さんは、あたしにそう指摘されると、あんぐりと口を開けて固まった
(…全く、剣の腕は立つんだろうけど、相変わらずちょっと抜けた御仁だねぇ(苦笑))
あたしは相も変わらずちょいと抜けている大倉さんに苦笑いしながら、手招きをした
にの江「まあ、見張りが居る居ないは置いといて、こんな所で立ち話もなんだからお上がりょ」
大倉「は、はぁ…かたじけない(汗)」
大倉さんはバツが悪そうにそう言ってデカい図体を縮こませると
申し訳なさそうに勝手口から家に上がった
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